夏、真っ盛り。 来週のお盆休みを楽しみにしている人も多いでしょう。
そもそも「お盆休み」 はどのようにして日本社会に広まっていったのでしょうか。
実はお盆には正式名称があります。「盂蘭盆会(うらぼんえ)」 または「盂蘭盆(うらぼん)」といいます。この名称は、「 盂蘭盆経(うらぼんきょう)」 というお経が由来であるとされています。そしてこのお経は、 下記のエピソードが起源になっています。
釈迦の弟子である目連(もくれん) は神通力で亡き母が地獄で逆さ吊りの刑をうけていることを知りま す。なんとかして母を救済できないかと思い、 釈迦に教えを乞いました。そこで釈迦は「7月15日(旧暦) に多くの高僧を心から供養すれば、 三途の苦しみから救えるでしょう」と伝えます。 そして目連はそのとおりに実践したところ、 母親が無事往生することができた、というものです。
このお経が仏教伝来と共に日本に伝わり、 旧暦の7月15日つまり現在の8月15日に先祖の恩に感謝するお 墓参りや迎え火、盆踊りなどの行事が始まったといわれています。 それでも江戸時代以前はのお盆の行事は貴族や武士、 僧侶などの上流階級の行事でした。しかし、 江戸時代になると仏壇や提灯に欠かせないロウソクの普及をきっか けに日本全国にお盆が広まっていきました。その後、 明治以降多くの企業で従業員が実家に戻り、 ゆっくりとお盆の行事に参加できるように8月15日前後数日間を 休暇に充てたことで、今日まで続く「お盆休み」が確立しました。